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富山ブラック@渡なべ・新宿区高田馬場

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写真: 富山ブラック@渡なべ・新宿区高田馬場

写真: 牛清湯そば@You Lee・足立区北綾瀬 写真: かめ囲の家系@かめ囲・調布市

渡なべ
  新宿区高田馬場2-1-4

 たぶん延長するとの注釈付きで、21日からとりあえず1週間の予定で提供が始まった限定メニュー。このために渡辺樹庵氏自らが富山に赴き、現地の味を確認したという。「富山の某店をベースに、ちょっと僕のイメージも混ぜて仕上げました。」とのことで、参考にしたお店の名前は明らかにしてはいないが、醤油色の濃さとネギの切り方からすると西町大喜のような気がするがどうだろうか。
 麺はストレートの太麺。初めのうちは硬い噛み心地でモソッとした食感だが、スープに馴染むにつれ弾力が感じられるようになり、やがてモチッとした食感が現れる。確か自家製麺のはずだ。西町大喜で食べたのは本店がはるか15年も、駅前店でさえ7年前のことなので、こんな感じの麺だったのか記憶が全くない。スープは富山ブラックらしい醤油味の清湯。醤油が効いていてしょっぱいが、それでも本場に比べるとおとなしめ。ブラックペッパーが一面に振りかけてあるが、その量も控えめに思える。豚の風味がしっかりと感じられる味わいで、旨味は本場より強い気がする。富山では、しょっぱさにマスキングされたのかもしれないが豚風味は感じなかったように思う。チャーシューはモモ。脂身が全く付いていないので滑らかさは無いが、パサパサという印象もなく、肉の旨味はちゃんと感じられるものがチャーシュー麺ほどではないがそこそこの量載っている。メンマはそれほど特徴があるわけではないが、仕入れ品でないことは味と食感から分かる。
 配膳時に店長さんらしき方から「本場に倣ってレンゲを添えていませんが、必要があればお声がけください。」と断りがあるとともに、お酢が入った小瓶が出された。確かに少なくとも西町大喜ではレンゲはなかったことは覚えていた一方、お酢は記憶に無かったので「富山ではお酢があったっけ。」とつい呟いたのが聞こえたらしい。退席時に「どうでした?」と尋ねられたので、豚の旨味がしっかり感じられる一方で、醤油と黒コショウは富山よりもおとなしめという印象」と答えたら、「自分も富山に行って食べてきましたが、今回は食べやすさを重視しています。」とのことだった。富山ブラックラーメンは、元々は労働者の白飯のおかずとして作られたと聞く。このため、おかずとしてふさわしいように醤油と黒コショウでインパクトを持たせてたらしい。確かに、そんな本場の味を東京で披露しても客は寄り付かないだろう。富山ブラックラーメンのイメージは壊さず、一方で正に「食べやすい」ように仕上げた一杯だった。さすがは樹庵氏だ。

・お気に入り度:〇

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