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味玉塩そば@金色不如帰新宿御苑本店・新宿区新宿御苑前

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写真: 味玉塩そば@金色不如帰新宿御苑本店・新宿区新宿御苑前

写真: 金目鯛のつけそば@よしかわ西台駅前店・板橋区西台

SOBAHOUSE 金色不如帰(こんじきほととぎす)新宿御苑本店
  新宿区新宿2-4-1 第22宮庭マンション1階105号室

 普段なら超絶行列により寄り付くことさえままならない超人気店も、コロナ禍により出かける人が少なくなって比較的行き易くなっている。このため、「有名店に行くなら今はまたとないチャンスシリーズ」と銘打っているわけではないが、最近は日頃ならなかなか行きづらいお店を訪ねている。この日もそんなお店の一つを訪れた。開店時刻の11時半に着くとお客が店に入り始めたところで、カウンター6席、テーブル2×2席、計10席のお店の10人目として待ち無しで滑り込めた。メニューは醤油そば、真鯛と蛤の塩そば、それに塩味と醤油味2種類のつけそばがレギュラーメニューで、そのほかに昼限定や夜限定のメニューがあるようだ。ネット情報によれば何を食べても外れはないようだが、初めてのお店故券売機の左上の法則に従い真鯛と蛤の塩そばに100円の味玉をトッピングした標記のボタンをポチっとな。1050円。
 麺はエッジのはっきりとしたストレート中麺。麺肌には褐色の粒々が見える全粒粉入りで、メニューによれば、北海道産「春よ恋」を主体に国産小麦6種類をブレンドし、石臼引き全粒粉を加えた自家製麺だそうだ。ツルツル、シコシコとしているが、こういうお店にしては珍しく気持ち軟らかめの茹で加減で、歯応えはそれほど強くない半面、しなやかさが感じられる。また、後述するウマウマのスープにマスキングされがちだが、しばらく噛んでいると小麦の風味も感じられる美味しい麺だ。スープは、貝を使っていることは分かるし、その貝をフォローする形で何らかのかたちで魚を使っているだろうなと想像は付くものの、節だとか煮干だとかアラだとかの素材の種類もタイやカツオだという魚種も認識できなかった。これもメニューによれば、愛媛県宇和島直送のマダイ出汁、三重県桑名直送のハマグリ出汁に本枯れ鰹節と真昆布等で引いた和風出汁の3種を合わせたアニマルオフとのことだが、動物系を使っていないとは思えない風味と旨味豊かでコクもある上等な塩スープだった。また、これだけではインパクトが弱いとの考えからなのか、具材の上には写真右側からポルチーニデュクセル、国産黒豚パンチェッタベーコンビッツ、インカベリーソースという3種類のペースト(ディップ?)が添えてあり、これらをスープに溶かし込むことにより重層的に味の変化を楽しむことができるようにしてある。なお、デュクセルトはペーストの調理法、インカベリーとは食用ホオズキのことだそうだ。肩ロースのレアチャーは、どちらかというとさっぱりとした仕上がりだが、赤身部分の肉の旨味と脂身の甘さが強烈で絶品。これもメニューによれば、生育が遅くて繁殖も少ない幻の豚とも呼ばれるスペイン産純粋デュロック種を確保して使っているそうだ。また、何も書かれていなければ気づかないだろうが、小さなチャーシューが添えられている。スペイン産イベリコ豚の最高ランク、100%純血のデ・ベジョータ種のバラ肉だそうで、日本では最も入手困難だがどうしても味わって欲しいと一口分だけ載せているそうだ。正気かなと思う。トッピングの味玉は、流れ出さない程度に固まった黄身にまでほどよく味が染みていて、特段の感動はないが〇。メンマは穂先で、軟らかいのに繊維を小気味よく断ち切れるシャキシャキとした食感が楽しい。なお、味付け、特有の風味ともかなり薄め。最後になるが、斜め切りの白ネギとは別に本来なら青菜が添えられている所にあるものは、何種類かのハーブ的な野菜をみじん切りしたもの。清涼感がある一方で、ハーブ特有の芳香はそんなに強くはなく、しっかり味のスープに慣れ過ぎないようブレーキをかける役割に思え好印象だった。
 アニマルオフ、白トリュフオイル、複数の特製ソース等新たなチャレンジに果敢に挑みつつも、特定のマニア向けではない、日本人なら大多数が文句を言わないだろう味わいをキープする。本当に大変なことだと思う。大いに満足。

・お気に入り度:〇+

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